レッスンの選び方

いざ、サックスを習おう!と思ってもまわりにサックスを教える音楽教室がなかったり、
またはたくさんありすぎてどこに行ったらいいかわからない!なんて場合があるかと思います。
利便性や、料金で決めてしまう場合もあるかと思いますが、講師という立場から、
もしくはきちんと上達するにはという観点から、敢えてご提案させていただければ、
ずばり選ぶ基準は『レッスンの中身、質』だと思っております。
『大手教室に何年も習っていても全く上達していない』という方が当教室にたくさんやってきます。
これはどうしてでしょうか?
それらの行き詰まり、スランプのほとんどが悪い癖がついてしまっていることが原因なのです。
ですから後悔しない為にもレッスンや講師の質にこだわって選ぶことをお勧めいたします。

レッスンには様々なスタイルとやり方があります。まず、マンツーマンレッスンとグループレッスン。
普通に考えて同じ時間、同じ講師なら当然マンツーマンの方がメリットが多いですよね。

ただ、レッスンの受講者が極度のアガリ症で二人っきりなんて心臓や血圧が絶えられない!とか、
講師のキャラが○○で二人っきりなど『生理的に』耐えられない!などの場合も
例外的にあるかも知れませんが。(大丈夫かな・・・自分)

そんな例外を除いてマンツーマンレッスンとグループレッスンのメリットをざっと挙げてみますと・・・

≪マンツーマンのメリット≫
☆講師サイド

受講者の理解度、上達度を把握しやすいので適切なアドヴァイスが出来る。
見落としがちな悪い癖や勘違いしやすい事柄をしっかり確認出来る。
演奏している様子を近くで見せることが出来る。
解るまで何度も、出来るまで何度も教えることが出来る。

☆受講者サイド
細かなところまでチェックしてもらえる。
解らなければ(出来なければ)何度も確認してもらえる。
レッスンのペースを合わせてもらえる。
好きなジャンルや曲をリクエストできる。(テキストの無い場合)
回りを気にせず質問などがしやすい。

≪グループのメリット≫
☆講師サイド

1レッスンでテキストを何ページ進めるか決まっているので教えやすい。
オリジナルのテキストを作らないで済む。
レッスンの準備がいらない。
時間単位の生徒数が多いので時間単価が高い。


☆受講者サイド
テキストやカリキュラムがあるので上達度がわかりやすい。
他の人の演奏も聞くことが出来るので参考になる。
仲間が出来て楽しい。
レッスン料が安い場合がある。
チェーン店の場合、引越ししても編入が出来る。

・・・とまあ平均的、一般的なメリットはこんなところかと。
この項では敢えてデメリットは書きませんので読者の皆さま自身でメリットの逆を想像して下さい。(笑)
私の立場でデメリット挙げるといろいろ波風たちますし。(笑)。m(_ _)m

でも実際どうなの?とリアルな事情が知りたい方はこちら→


講師の選び方

レッスンを選ぶ際にそのシステムと同様に重要な要素となるのが講師の選び方だと思います。
例えばクラシックしか勉強してきていない講師にポップスやジャズを教えてもらおうとしても、
満足のいくレッスンをしてくれるかは疑問です。

クラシックの講師に教わった場合、ジャズの曲を吹いてもクラシックっぽくなってしまう場合が多いかと思います。それで満足なら問題ないですが、ジャズのサックスの奏法はクラシックの奏法と異なる点が多いのです。
様々な音色や、人間が歌ったり、しゃべってるような細かなニュアンス、ジャズの魂であり、魅力である
アドリブなどのテクニック、理論、芸術性などはクラシック奏者は出来ないし、教えることは困難です。
私も同様にクラシックをきちんと教える事は出来ません。その道の方に怒られるでしょう(笑)。

以前も書きましたが、サックスというものは基本的に弦楽器の代用品として発明され、
当初はその音色も弦楽器のような音が望ましいとされて来ました。
ソプラノはヴァイオリン、アルトはヴィオラ、テナーはチェロ、バリトンはコントラバスというようにそれぞれが
吹奏楽では弦楽器の代わりの役目を求められます。そもそも吹奏楽自体がオーケストラの代用品として
誕生したので、ある意味、サックスは吹奏楽の為に生まれた楽器といえるかも知れません。

クラシック奏者に言わせるとジャズやロックのサックスの音は『汚い』と言われてしまうことが多いのですが、
私は美しいなと思うジャズサックス奏者はたくさんいます。ゲッツやショーター、パーカー、オーネットでさえ
切なく甘美だと思います。まあ、これは主観の問題ですが・・・。
ところで私はジャズサックス奏者の音色は著名な人であれば、一聴して誰か解ることが多いのですが、
クラシック奏者はなかなか区別がつきません。それはクラシックのサックスの音色は『個性』よりも
『絶対的な美』というものを追求しており、皆ある程度同じ方向に向かっていくからなのかも知れません。

クラシック奏者(講師)の中にはは『クラシックの奏法こそ正しい奏法であり、ジャズやロックの奏法は邪道だから
良くない』と生徒に言う場合が有るようです。これはたくさんの受講者から実際に聞いた事です。
私自身はサックスには様々な奏法があり、クラシックの奏法はその1つだと考えております。
ニーズやポリシーによって使い分ければよいかと思います。

少々脱線しましたが、求める音色が違えば奏法も異なる部分が生ずるということです。
私自身はクラシックの奏法を本格的に学んだことは有りませんし、現在定着している
クラシックサックスの奏法には矛盾することがあると思っているので・・・。
いつか最近のアメリカやフランス系のリベラルな考えを持った奏者になら習いたいかなとは思ったりはします。

具体的に奏法上どんな点が違うのかについてはアムブシュアの項で書きたいと思いますが、
講師選びでいうならば自分の学びたいスタイルの講師に教わるのが一番だという事です。
ジャズ系サックスプレイヤーの中でもスイングジャズやビバップ、新主流派、フュージョン、フリージャズ、
ロック、ポップスとスタイルや考え方は様々ですから、サックスプレイヤーは皆同じではないということです。

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